posted by らりひょ
at 19:37:40 │
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冬空の青を冷たい風に吹かれて眺める。
何処までも完璧な青。
喉元は冷たく、青を呑みこんでいるのか。
それとも青に呑まれているのか。
ただ呆然と青に魅入っていると、ふと思い出す。
「なぜ?」という問いが体に満ちてくる。
なぜ? あなたはここにいないのか。
なぜ? わたしは一人ここにいるのか。
なぜ? わたしはあなたに言わなかったのか。
「そばにいてほしい」と言えなかったのか。
そして、「あなたのそばにいたい」という思いがあふれてくる。
しかし、わたしは「あなた」がわからない。
「あなた」が誰なのか。
「あなた」は確かに他の誰でもない「あなた」だ。
なぜ? 「あなた」なのだろう。
なぜ? 「あなた」でなくてはいけないのだろう。
なぜ? わたしは「あなた」を忘れたのだろう。
姿も形も声も何もかもすべて。
思いだけ残るなんて滑稽だ。
「あなた」が誰かわからない。
何処までも遠い青の話。
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